スタッフより
昨日の続きになります。
調査をしていくと、垂木が特に腐朽しているのは、東西のけらば側が
中心ということが分かりました。これは、雨水がけらばから侵入し、
野地板と垂木の間を通過して垂木内部に侵入したためだと思われます。
そこで、けらば側、幅1m程度、瓦屋根と野地板を取り換えることにしました。
本当は、屋根全体を葺き替えるのが理想ですが、
I様の場合、雨漏りは発生していなかったので、I様と相談の上、
そこまでの経済的負担を強いる必要はないと判断しました。
まずは、既存の屋根瓦を撤去します。次に、既存のビニル系の防水シートを
剥がしてから、野地板を取り外しました。続いて、腐朽した垂木を交換
したうえで、新しい野地板(合板)を設置し、改質アスファルト系ルーフィング
を敷きました。さらに破風板(切妻屋根のケラバ(妻)部分に取り付ける板)
を取り付けて板金を巻き、桟木や垂木への雨掛かりを遮断しました。
また、屋根の棟部も雨仕舞に問題を抱えていました。
一般に屋根瓦の棟部にはのし瓦を何枚か敷き重ね、頂部に冠瓦を
載せます。その際、のし瓦はなだらかな山を築く要領で設置します。
下層程裾野を広く取り、上層程狭くするのは、排水しやすいからです。
ところがI様 のケースでは、のし瓦がほぼ垂直に立ち上がっていました。
水を呼び込みやすく、排水しにくくなっているのです。
そこでなだらかな山になるように棟部をやり直しました。
明日に続きます。