スタッフより
世田谷区のI様から連絡がありました。I様のお宅は、築40年の
2階建て木造住宅で塗装をしようと思って業者にお願いしたところ、
垂木と野地板が腐っているので、屋根修理会社に直してもらってからの
方がいいのではないかと言われたそうです。
通常であれば、垂木は側面や下面が空気に触れているので、水を含んでも
しばらくすれば乾燥するので腐朽することはほとんどありません。
しかし、I様のケースでは、垂木の側面や下面を塗装していました。
I様によると、以前の塗り替え工事の際に、業者がついでに塗っておきます、
と言って垂木を塗装したそうです。
塗装できるのは外から見える部分だけです。垂木や桟木、野地板が接している
部分までは塗装できません。
垂木や桟木が経年劣化で痩せると、その隙間から雨水が入り込みます。
木材の内部に侵入した水分は、塗膜によって逃げ道をふさがれているので、
中に溜まってしまいます。滞留した水分は日差しによる温度上昇で
周囲に広がり腐朽が進みます。
さらに10年前にI様が別の塗装会社を依頼した時、傷んだ部分を直すと言って、
腐朽した垂木にシーリング材を充填したそうです。
この措置も水分の排出を妨げるだけで逆効果になりました。
垂木だけでなく、桟木や野地板、母屋などにも腐朽が広がっていました。
腐朽した垂木を取り外して見たところ、内部はスカスカの状態で予想以上に
空洞化が進んでいました。放置すれば、構造上の問題にまで発展しかねない
状態でした。
明日に続きます。