スタッフより
昨日の続きです。
この状況では、裁判に持ち込んでも解決までに時間がかかる、と
考えたK様は、訴訟を断念しました。そして損賠賠償の請求は
さほど重要ではないと気付いたそうです。大事なのは、一歩間違えば
死傷事故を招いていたということ。類似の事故を防ぐために行動すること。
N社はパミールが採用された住宅数や同種のトラブルの発生数を
明らかにしていません。
今まで点検した経験でいうと、程度の差はありますが、築10年を
超えるとパミール屋根の剥がれの問題は見られるようです。
住宅会社やお客様が外見重視で判断しやすいトラブルは剥がれです。
パミール屋根に対しては、カバー方法は勧められません。
なぜならパミールは吸水率が高く、内部で結露が発生しやすいからです。
その状態で新しい屋根を被せると、野地板の腐朽を早める恐れが
あります。下ぶき材や野地板を含めた葺き替えを勧めます。
K様のケースでは、他社製のスレート屋根に全面葺き替えを行いました。
パミールの劣化は、塗装の塗り替え時に表面化する場合もあります。
以前築15年、木造2階建てのお客様からの塗り替えを依頼され時、
パミールが使用されていて、層状の剥離が多数生じていたのです。
この状態で塗装をしても、剥がれは収まらないと判断し、「塗装不可」
という決断に至りました。