スタッフより
昨日の続きになります。
水平目地の改修では、シーリング材を撤去して水切りを設けることにしました。
このシーリング材は、縦張りサイディングを上下に並べる際にできる
水平目地を充填したものです。シーリング材に変位を吸収させるよりも、
両方の縁を切って水切りを付ける方が、無理な力が加わらない上、雨水
排出もスムーズになります。この水切りは、基礎と土台の間に付ける
「土台水切り」と同じような役割を果たします。
FRP防水の立ち上がりも見直しました。改修前は、立ち上がり部分の高さが
不足していたので、新たな窓台(防水下地)を作り、表面をFRP防水層で覆いました。
透湿防水シートは、FRP防水層の上から垂らす形に改めました。
実際の改修工事の様子は以下の通りです。
まずは、防水層の立ち上がり部分を改修します。
次に、バルコニーの床面の防水層を張り替えます。
既存の防水層を削り、新たに1層分(1プライ分)の防水層を施工。
1層分の施工は、ポリエステル樹脂の捨て塗り、ガラスマットの敷設、
ポリエステル樹脂の中塗り、上塗りの順で進めます。防水層の施工が終わったら
新しいサッシを取り付けます。
この語、壁面を剥がして透湿防水シートを張り替えて、横胴縁を取り付けたうえで
外壁の窯業系サイディングを張り替えます。
この住宅は軒やけらばの出が小さく、雨掛かりの面積が大きかったです。
最近の良く見るタイプで見た目のデザインを優先し、雨仕舞を後回しにした
ケースです。近隣の住宅もほぼ同じ外観をしていました。
バルコニーの防水層なども同じ納まりになっていることでしょう。
同様のトラブルがいつ起こっても不思議はありません。複数の住宅を建てる場合は、
標準的納まりについて十分に検討が必要ですね。