スタッフより
世田谷区のG様から、保有する鉄骨造のビルの屋上の「よじれ」た部分を
見て欲しいと連絡がありました。
調べてみますと屋上部分がアスファルト防水層の
上に保護モルタル押さえを施して仕上げられていました。FRP防水1プライ
使用で改修工事を行ったところ、改修施工後2年目にパラペット立ち上が
り部の防水層表面によじれが確認されました。表面のよじれは、下地となる
保護モルタルの動きによち防水層が一部剥離し、防水層によじれが発生
しているように見えました。既存の防水層の保護モルタル部分の動き、
あるいは立ち上がりパラペット事態の動きによって、新設防水層がよじれ
たものと考えられます。建築物の構造や施工によっては、床面と立ち上が
りパラペットが一体とならない場合があります。そのような例では、床面と
立ち上がりパラペットがそれぞれ異なる動きをするため、経年によりズレ
が生じ、その影響が防水層に表れることがあります。
FRP材料は比較的硬い材料であるため、下地の動きに追従しきれない場合があります。
そのためFRP防水を計画する場合の躯体は、立ち上がり部と床を一体にするのが
望ましいのです。また、立ち上がり部と床面が一体となっていないと予測
される場合は、絶縁処理および防水層の複層化びとる下地追従性の確保が
必要です。またN様のビルの場合は、施工されていた防水層仕様はFRP防水
1プライ仕様であるため、特に下地の影響を受けやすい状況であったとも
考えられます。このように下地に問題を抱える可能性のある現場では、
FRP防水の複合仕様を採用するなど、下地状況にあった防水仕様を選択する
ことが重要です。