スタッフより
世田谷区のU様から連絡がありました。部屋内のカビに長年悩まされている
とのことでした。U様のお宅は、築浅の高断熱、高密閉住宅です。
住宅の高気密、高断熱化が進んでいます。それは、省エネ基準の
引き上げなど、建築物に対する社会的要求が高まったためだと思われます。
また、最近特に都市部でよくみられる傾向として、軒の出が極めて短い、
あるいはまったく軒の出がない、「軒ゼロ」住宅が増えています。
こうした住宅は外壁の雨がかかり、リスクが高く、雨漏り対策は外皮の
防水性能に依存せざるを得ません。住宅会社の多くは雨漏りを未然に
防ぐため、外皮の気密性、密閉性をさらに高めていく方策をとっています。
このような外皮構造の変化に伴い、旧来は見られなかった新しいタイプの
雨漏りが増えています。
住宅の気密性、密閉性が高まるにつれ、屋内外の温度差は開き、さらに
相互間の空気の流通が滞りがちになります。外皮性能や断熱性能の向上による
密閉化は、内部結露発生のリスクを高めます。
さらに密閉性の高い住宅では、雨漏りによって上宇井が浸入した場合、容易
に排出されず長時間にわたって部材を湿潤状態に置くことになります。
長期の湿潤は部材の劣化につながり、重大なトラブルを引き起こす
原因になります。
明日に続きます。