スタッフより
杉並区のI様は、中古住宅の購入直後から深刻な雨漏り被害に
見舞われていました。そこでリフォーム会社に雨漏り修理を
依頼したそうです。工事会社は約4か月かけて修理したものの、
雨漏りは一向に収まらなかったそうです。
怒ったI様は、損害賠償を求めてリフォーム会社を提訴しました。
最終的には両者は和解に応じたそうです。
調査報告書によると、リフォーム前の外壁はモルタル仕上げの
じか張り工法を採用していました。
補修前の開口部の納まりには、2つの問題点がありました。
1つはサッシのつばが下地合板の室内側に入っていたことです。
本来は下地合板の屋外側にいれなければならないのです。
もう一つは、サッシと外壁の取り合い部にシーリング材を
充填せず、防水テープの止水機能だけに頼ることになっていたことです。
取り合い部から侵入した雨水は、防水テープの皺を通過して合板の
背後に回り、室内で雨漏りを引き起こしたのです。
修理をしたリフォーム会社は、外壁を乾式工法に変えたのです。
窯業系サイディング材を使用し、裏面に通気層を確保しました。
しかし、開口部周辺の納まりは元のままで、問題点を改善することが
できなかったのです。
しかし、リフォーム会社にも言い分はありました。
彼らは、雨漏りの原因を正確に把握していたのに、なぜ対策を
講じなかったのかを問われたところ、I様と補修費用の総額は
折り合わず、開口部の修理費用を捻出できなかったそうです。
中古住宅の販売直後の雨漏りは、売り主の瑕疵担保責任を追及すべき
かもしれません。修理する範囲を明確にし、それに見合った工事費で
受注すべきなのです。中古住宅全体の雨漏りの責任を負うのは
あまりにもリスクが大きいですから。