スタッフより
昨日の続きになります。
南房総氏の海岸沿いに建つ築9年の住宅では、台風15号で屋根の化粧スレートが
飛散したそうです。化粧スレートをくぎ留めした部分がその下側から風でめくれ上がり
引きちぎられたとみられます。
化粧スレートのメーカーはスレートを1枚1ずつ4本の専用くぎで留める方法を標準仕様
としているのが一般的です。ただその仕様を適用できる条件を基準風速36m/s以下で
屋根の高さが8m未満などに限り、その条件に合わない場合は、スレートの下側2か所
に接着剤を塗布するなどの補強を求めているメーカーもあります。
南暴走しは基準風速が38m/sなので、仮にくぎ留めのみで施工していたとすると、
耐風圧性能不足でスレートが飛散した可能性も考えられます。
金属ぶきの耐風圧性能は、ふき方や金属板の厚さ、有効幅、留め具の引っ張り耐力
と間隔、はぜの仕様などで大きく変わり、板金工事会社は風圧力に応じて仕様を
決めるのが一般的です。風の強い地域では、地域の風圧力に詳しい経験豊富な
板金工事会社に頼むことが重要になります。
風圧力が大きくなる端部の板金唐草がめくれ上がる被害も発生しやすいです。
そのため強風地域の板金工事会社は、唐草に独自の工夫を凝らしています。
台風時は下地材の腐朽が偏印で棟板金や棟瓦が飛散する被害も頻発します。
被災した地域では、棟瓦を固定する芯木をしっくいと防水シートで覆うことで
腐朽を防ぐ提案を始めています。ケイミューでも防腐処理木材や樹脂木材の
活用を推奨しています。