スタッフより
世田谷区のK様から、雨漏りの連絡をいただきました。K様のお宅は、
木造の在来工法でよく使われるJ型粘土瓦屋根です。引掛け桟工法で
屋根を葺いた築40年超の木造住宅で、瓦から下葺材に、雨水の侵入した
形跡が確認できました。瓦を剥がしてみると、昔の工法である木皮
が下葺材に使われていました。瓦の隙間から侵入した土や
埃が瓦桟び退席し、瓦から侵入した雨水が軒先に流れるのを妨げて
いる状態でした。一般的に瓦屋根は隙間が大きいため、施工後に
雨が侵入しやすいのです。しかしそれは一概に悪いとは言えないの
です。見方を変えれば瓦下の空気層によって入った水が乾きやすい
とも言えるからです。瓦の隙間を見つけたら、早めにご連絡いただけると
大惨事を防げます。その予兆を見つける方法をご紹介します。
(1)軽度なズレが生じる
瓦がきれいにかみ合わずに浮いている状態。少しの浮きでは、雨漏りに
直結することはほとんどないですが、ズレが酷くなると雨漏りも
酷くなります。瓦のかみ合わせを直すだけなので、早めに連絡いただけ
ればまったく問題がありません。
(2)棟の下の平瓦にかなり隙間が開いてくる
本来は瓦の下にある高さ調整の為に入れていた木材がシッカリと固定さ
れていない事が原因で外れてしまい落ち込んでしまった場合に生じます。
対処方法は一度棟部を撤去して高さ調整の木材を再施工するしかありません。
(3)焼瓦に起こる「ネジレ」による隙間ができる
軽度なものならば、雨漏りしません。「瓦のネジレ」の組み合わせを
変えるか、少しグラインダー等で削るとある程度解消できるので、早め
に連絡お願いします。
(4)隅棟部の荷重に耐え切れずに荷重のかかった反対が浮き上がって隙間ができる
隅棟を施工する前にシッカリと平瓦の下に浮きあがり防止策をとって
いると起こりにくい現象で雨漏りに直結することはほとんどありませんが
飛び込み業者が突っ込みを入れてくるポイントになります。
これは、一度棟を撤去しないと直せない隙間です。