スタッフより
八王子市のT様は、竣工後10か月の軽量鉄骨造ユニット住宅にお住まいです。
前から申し上げているように、最近築浅での漏水が本当に少なくないです。
T様の場合は、1.2階の天井部分に雨漏りが見られるとのこと。
さらに床下への漏水もありました。天井の雨漏りと床下への漏水は、
どうやら侵入箇所が違うようです。調べてみると、妻壁のガラリ(※)
上部のは破風金物との取り合い部分と、ガラリ面台の隅の2か所から
壁面への水の侵入が確認されました。(ガラリとは、外部に対して
目隠しをしながら換気ができるように、ドアや窓などにもうけた通気
口のこと)破風金物部分から入った雨水は、鉄骨柱・梁を伝わって1階
床下へ落ちていきます。柱を伝って2階和室の床にも漏水する可能性
があることが分かりました。ガラリ面台から侵入した水については
壁パネルを伝って、2階アクセントカバー部分の水切りから外部に
出ていく構造になっているため、大量に雨水が流れ込まない限り、
室内に漏水することはありません。漏水の直接の原因は、シーリング
の施工不良です。
また、T様の家がデザインを重視するあまり妻壁側の庇の出幅が短い
設計であったことも原因の一つでしょう。壁面に雨がたたきつけられるような強風時
には、ガラリ上部にも雨が当たり、浸水します。一般的な住宅工事
では、専門会社が防水工事をするわけではないので、シーリングの
施工不良は起こりやすいです。T様のケースでは、シーリングを充填
し直すだけにとどめました。こういうケースを踏まえて、メーカー
では、ユニットの仕様を庇の出幅を200mmから300mmに伸ばした
ということです。