スタッフより
昨日のブログの続きになります。もし、自宅の屋根が飛散して
他人に被害が及んだ場合、建物所有者には、民放717条で定められている
工作物責任が課されます。工作物の瑕疵によって他人に損害が生じたとき、
まずは工作物の「占有者(賃借人も含む)」の賠償責任が問われる
のです。ただし、これは過失責任なので、通常の注意義務を払って
いれば責任は問われません。占有者が賠償責任を免れると、
今度は「所有者」がその責任を負うことになります、これは
無過失責任で、故意、過失の有無に関係なく責任を負います。
つまり所有者の方が思い責任を負うのです、したがって、
戸建て住宅や賃貸アパートで屋根の飛散による人身事故が起これば、
真っ先に所有者の責任が問われるのです。飛散事故が発生した屋根で
施工不良が見つかった場合は、所有者は施工者の責任を問うことは
可能です。11年の最高裁判決で、建物の基本的安全性を
損ねる瑕疵に対して、民放の不法行為責任を問えるとの判断が
示されました。飛散を招くような屋根の施工不良も、基本的な安全性を
損ねる瑕疵とみることができます。不法行為も除斥期間
(責任追及できる期間)は20年なので、その間は所有者は施工者の
瑕疵を問うことができます。ただし、その場合には、所有者が施工者の
過失や因果関係を立証しなくてはならないのです。これが大きな
ハードルになります。例えば釘の留め本数の不足など、具体的な
施工不良を立証しようとしても、実際には屋根材が飛散にているので
立証が難しいのです。
現実的には、施工者の責任を追及するのは困難で、最終的には
所有者が賠償責任をかぶる可能性が最も高いです。
明日に続きます。