スタッフより
杉並区のJ様から連絡があり、この秋の台風を経て、瓦屋根がいつ
飛んでしまうかわからないから見て欲しい、と依頼がありました。
J様が危機感を持ったのは、昨年の9月の関西を襲った台風21号のニュースでした。
台風襲来の当日、大阪市内のマンション8階に住む70代の女性が、
飛散した屋根材の直撃をうけて死亡するという痛ましい事件のことです。
これは、現場から約150m離れた3階建ての建物の屋上から、折板屋根
が飛散したことが原因のようでした。陸屋根の屋上に木材の支柱を立て、
その上に折板屋根を載せた構造です。屋根は躯体と連結されていなかった
ようで、非常に危険な構造と言わざるを得ません。
こうした屋根の飛散事故を見て感じるのは、多くの建物所有者が
屋根の飛散リスクを十分に認識していないことです。特に戸建て
住宅では屋根の安全性に関心を持つ人が少ない中、J様は意識が
高いです。例えば、自分の車が他人を傷つける心配はしても、まさか
自宅の屋根が他人を傷つけると思わないのです。しかし、仮に
飛散屋根による事故が起これば、屋根を飛散させた住宅の所有者が
賠償責任を負うことになります。人命に関わるようなことになれば
取返しが付きませんし、その賠償額も大変な金額になります。
まずは、J様のように今までの認識をあらためてもらい、
適切なメンテナンスをして飛散事故を防止に努めてもらうことが
大切ですね。
明日に続きます。