スタッフより
太陽光発電は、2011年の東日本大震災以降急速に普及してきました。
東日本大震災時は、ライフラインへの影響は被災地だけにとどまらず、
事故があった福島第一原発から電力供給をしていた東京電力管内全域に
及ぶことになりました。
さらに前回の台風15号の千葉県への影響もあって太陽光発電は今後も
普及し続けるであろうと考えられます。
その一方で、太陽光パネル設置に関わるトラブルは増えています。
世田谷区のI様より雨漏りがするので見て欲しい、という依頼をうけました。
場所は、どうやら太陽光パネルの下あたりらしいです。
太陽光パネルを屋根に設置するとパネルにより日射が遮断されます。
その結果、野地板が低温化するため湿潤し、劣化が集中します。
この現象を防ぐには、小屋裏換気量をより大きくし、また、野地板
湿気を野地上に排出できるような野地上通気の措置が必要になります。
太陽光パネルの高防水な止付け方として、波板の山部に取り付ける
方法を提案いたします。この方法は、ブチルテープやコーキング材
などによる止水方法ではなく、構造的に留め付け釘・ネジからの雨水侵入
を防ぐことができるのです。また、波板の山部を利用して、野地上通気
も同時に実現することができます。下葺材として、透湿ルーフィングを
利用します。野地板の湿気を透湿ルーフィングと、波板の山部の通気空間
を通して、棟から排出することができるのです。今後太陽光パネル
の設置を考えておられる方は、その点にご注意いただければ幸いです。