スタッフより
窓ガラス周りの結露といえば冬の話がほとんどではありますが、実は
年中通して起こる可能性はあります。
それは、結露ではなく雨漏りと呼んだ方が良いかもしれません。
最近は住宅の窓回り、ドア周りの湿気トラブルが増え、建設会社や設計者
だけではなく、サッシメーカーも対応に追われているそうです。
あまりの苦情の多さに驚いたサッシ業界は、本格的に事故例を
調査・分析を進めています。その結果、漏水事故は、様々
な部材の組み合わせと納まり、施工状態などが複雑に絡み合って発生
していることが分かりました。サッシは外壁の止水面を貫通して設置
されます。そのため、防水シート、防水テープ、シーリング材などを
巧みに組み合わせてサッシ回りの止水面を形成しなければならないのです。
つまり、サッシ単体では、雨水侵入対策は不可能なのです。世田谷区の
Y様のお宅は、モダンなコンクリート打ち放しの住宅です。サッシ回り
からの雨水の侵入に悩まされておられました。原因をしらべてみると、
モルタル仕上げの外壁とサッシの取り合い部分から雨水が侵入した事
故でした。コンクリート打ち放し仕上げはローコストで自由度の高
いオシャレな意匠ができることから人気で、近年は施工事例が増えています。
その反面、雨水事故も増えています。修繕方法として、木づりと
サッシの釘打ちフィンの間に、段差が生じないように面合わせ材を
取り付けました。平らに面合わせし、両面粘着の防水テープを貼り付け
その上にアスファルトフェルトを取り付けて止水面を形成しました。
外壁に通気層を設けない湿式仕上げの場合は、アスファルトフェルト
ではなく透湿防水シートを使用すると、透過した湿気が内部結露を
起こしたり、取り付けビスやピンタッカーによる穴から侵入した雨水に
排出されずに滞留したりするので注意が必要になります。