スタッフより
太陽光発電は、東日本大震災を機に生じた電力不足で、
再生可能エネルギーとして脚光をあびました。しかし、
太陽光パネルを屋根に設置することは屋根に負担をかけるということは
あまり知られていません。
太陽光パネルの設置が増えてから、雨漏りトラブルは、確実に増える一方です。
原因は、一言でいうと、設置業者の技術、知識、経験不足によるものです。
取り付け金具を屋根に直接ビスで固定して施工する際に、ビス穴の隙間から
雨水が侵入して雨漏りが起こっているのです。日射を受ける屋根の
下の野地板は、高温になって水分を放出、高湿な環境を作り出しています。
一方、太陽光パネルの下の野地板は低温になるため周囲の湿気を集めて水分含有量が
高くなります。よって、腐朽、劣化し、耐久性が低下する可能性が高まっているのです。
太陽光パネルの設置がまずいと、パネルの背面に配線のたるみができ、パネルと屋根の間に
隙間が生じるので、そこに落ち葉などがたまり、そこに鳥が巣を作ったり、雨水が溜まったり
して雨漏りに発展します。
杉並区のJ様から半年前ほど、太陽光を設置した屋根から雨漏りがするとの
相談を受けました。調べてみますと、屋根材を緊結する釘や、野地板を垂気木にとめる釘頭が
さびており、野地板に結露と思われる跡があることも確認できました。
しかし、すぐ原因を断定するわけにはいかないので、少し、長い時間をかけて経過を観察しました。
その結果、屋根材を緊結する釘の頭部は夏季に、貫通した胴部は冬季に、
また野地板の釘は夏季に結露して錆びることが分かりました。こうして年中結露にさらされることが、
屋根の腐朽や劣化を進行させた可能性が大きいです。原因が特定できたので、J様とどのように
屋根修理するか相談しながら決めていきます。