スタッフより
杉並区のI様は、木造2階建てで築12年になります。雨漏りの連
絡があり伺ってまいりました。
問題のあるバルコニー外壁と1階の屋根の取り合い部分を取り外してみると、
バルコニー壁内は一面にクロアリが巣をつくっており、次々と蟻がでてきました。
木部は湿り、一部は指で押すとぐにゃりと凹んでしまうほど腐朽が進んでいました。
くぎは黒くさびており、下部の胴縁はクロアリに食い尽くされたようで、ぼろぼろの
残骸の状態でした。
この惨状を生み出した大きな原因は、屋根と壁の取り合い部分の施工ミスです。
具体的には、取り合い部の瓦の下に施工した捨て水切り(二十二設置して雨水の進入を
防ぐための水切り)の形状にありました。端部がおられてなく、雨水が壁内に侵入したのです。
透湿防水シートの施工部分が適切でなかったことも影響し、雨水は石膏ボードと透湿防水シート
の間に侵入し、長期間にわたって壁内が湿っぽい状況を生み出していた。
この環境を好んだクロアリが巣をつくり住み着いたのです。住み着いたのがシロアリで
なかったのが不幸中の幸いです。
下屋と壁の取り合い部は、雨漏りの原因になりやすい場所です。
壁を仕上げた後では雨仕舞の納まりを確認できないこともあり、施工ミスを発見しにくいからです。
雨仕舞のポイントを事前に大工に伝えるなどして、施工ミスを防ぎたいものです。
明日に続きます。