スタッフより
「畳がじめじめしている」と杉並区のH様より連絡をうけました。
現場に行って畳と壁のグラスウールを剥がしてみると、床と壁の下地合板が濡れて
カビや木材腐食菌が繁殖していたのです。H様のお宅は木造2階建てで築10年です。
H様が最初に気づいた異変は、階段付近の壁で、内装材に発生した染みです。染みが
生じた壁のコンセントボックスを外すと、カビ臭が漂ってきたとのこと。
その後2回東南の角部屋で畳がじめじめしていて、階下の今では天井に染みが浮いているのを
発見したのです。
建築した住宅かいしゃは、窓からの雨漏りを疑い、窓周りにシーリングを再施工。
しかし状況が改善しなかったため、H様が思い切って畳とグラスウールを剥がしたところ、
惨状を目の当たりにすることになったのです。
そこでまず、合板が腐食している箇所にもう一度グラスウールと防湿シートを試験的に
接地してみました。すると6月中旬の晴れた午後に大量の水滴が防湿シートの裏面に
発生しました。これを見て、腐朽の原因は夏型結露と判断できました。
夏型結露とは、合板などの建材が含んでいた水分が、日射による外壁や屋根の温度上昇
によって壁内で気化し、相対的に温度が低い室内側で、冷やされて、内部で結露する
現象です。畳のじめじめや天井の染みは、防湿シートの裏面に付着した結露水が下の方へ
流れ落ちたためだとみられます。グラスウールを剥がして合板をしばらく乾かした後に試験施工したにも
かかわらず、大量の結露は発生して驚きました。合板が相当な量の水分をため込んだため
ですね。
明日へ続きます。