スタッフより
港区の築43年のマンションの話です。M様のお宅がキッチンの上部サッシから
雨漏りするというので伺いました。キッチンの裏側を伝ってコンクリートの壁
に流れていたようで、壁にはカビが生じて黒くなった跡がありました。
木造戸建て住宅とは異なり、躯体が鉄筋コンクリート(RC)造のマンションでは、
壁内の劣化はイメージしにくいという人も多いと思います。構造に影響するものでは
ありませんが、壁に関する劣化は存在していました。
よくありがちなのが、雨漏りや結露によるカビ、特に外に面している壁に断熱材が施工
されていないといったマンションでは結露が生じやすくカビに至ります。1970年代
以前のマンションなどでは断熱材を施工していない建物も少なくないので、壁に結露
をした例を見かけます。雨漏りや結露で少量の水がじわりと壁にしみわたる程度のものは、
室内までシミなどが現れず気づかないこともあります。ただし、マンションの場合は、
あまもりといった躯体の瑕疵は共用部の扱いとなるため、修繕は管理組合などに
連絡して対応してもらう必要があります。
マンションの場合も木造戸建て住宅と同様に、必ずしも築年数だけで劣化状態を
判断できるものではないです。壁内の劣化に至る原因となりがちな建物自体の
スペックをまずは見極めて、対策や回収提案をどうするかといった検討に入ることが
望ましいです。竣工図は残っている場合は建物のスペックを確認したうえで、インスペクション
などで現状も確認します。