スタッフより
パラペットやバル子にの天端部分の納まりには、2つポイントがあります。
1つは外部からの雨水の進入を確実に防ぐこと。もう一つは、内部に
湿気を充満させないように通気を確保することです。つまり「防水しながら
空気を通す」という難しい納まりが求められるのです。そこで活用されているのが
防雨効果を備えた換気部材です。現在さまざまなタイプの換気部材が販売
されているなかで、積層プラスチックなどの通気部材と金属板を一体化した
タイプの製品が多いです。
このタイプは、積層プラスチックなどの通気部材に微細な穴が開いています。
雨水が穴に付着すると、表面張力が働いて水の膜を生成します。
この膜が穴を覆って雨水侵入を防ぎます。膜ができている間、通気ルートは
塞がれるものの、雨がやんで水が蒸発すれば通気は回復します。
杉並区のT様の現場に換気部材を導入してみました。
外壁材の上端に換気部材をバルコニーの手すり壁に沿って設置。
この換気部材導入に伴うコスト増は、1棟あたり材工込みで3万円程度で済みます。
万が一、雨漏り事故が起こった時の調査や補修コストを考えれば、
大した負担ではないでしょう。雨漏り事故を防止するための必要経費といっても
過言ではありません。
バルコニー天端の下地材に2枚の透湿防水シートを左右から重ね、その上に
鞍掛けシートを設置します。この状態で換気部材をを側面からビスで取り付けます。
この後、片面防水テープを上から貼り、固定金具と笠木を取り付けます。
この一連の作業は予想以上にスムーズに進みました。