スタッフより
世田谷区のO様は、三方をパラペットとした金属屋根を持つ住宅にお住まいです。
木造2階建て住宅で、築1年以内に雨漏りが発生しました。
原因の一つがいわゆる「脳天くぎ打ち」です。パラペット天端の笠木に
真上からくぎを打ち付け、下地の木材に留めていました。このため、
釘穴から雨水が浸入しました。下地の木材が湿潤状態になり、笠木裏面の
腐食を招く結果になりました。
パラペット内部の換気が不十分だったことも被害を広げました。
通気層内部の通気が十分に確保されていなかったため、壁内に湿気が
充満しました。透湿防水シートと胴縁全体にシミが拡大し、木部の腐朽が
広がりました。野地板の腐朽も深刻でした。三方パラペット屋根の水上川の
雨押えには換気口を設けていませんでした。そのため、湿気が抜けず、
結露が発生しました。これが野地板の劣化を早めました。
同じく世田谷区のY様もお宅も三方をパラペットとした金属屋根で、
築9年も木造3階建てです。こちらにも雨漏りの発生がありました。
Y様の方はいわゆる「サイディング材の裏張り」が問題となったものです。
パラペットの笠木を外してみると、サイディング材を裏返して天端に取り付けていたのが
見つかりました。サイディングの裏面は防水処理されていないので、ここにたまった水は
内部に浸透する恐れがあります。
しかも、裏張りしたサイディング材と外壁の間をシーリンフ材で充填していたため、
パラペット内部を完全に密閉する形になっていました。
パラペット内部がみっぺういされた状態だったので、壁内に湿気が
充満したのです。透湿防水シートは水を吸ってたるんだ状態になり、薄い
シミが全体に広がっていました。防水テープも湿った状態で、透湿防水シートに
密着していませんでした。これらも雨水侵入を招いた一因でしょう。