スタッフより
またまた、軒ゼロ住宅の雨漏り案件です。世田谷区のA様のケースは、
片流れ屋根の木造3階建て住宅です。棟部から雨の侵入が
あったようです。
軒ゼロ住宅で事故が多いのは、具体的にどの部位ででしょうか?
JIOでは、「片流れ屋根」「寄棟屋根」「腰折れ屋根」の4つの屋根形状に
分類し、各屋根形状について「軒」「けらば」「棟」の3つの部位で
それだけ雨水侵入が発生したか調査。
まず屋根形状別でみると、片流れ屋根が全体の75.8%と圧倒的に多いです。
さたにその雨水新箇所をみると、棟部分(頂部)が全体の半分以上を占めています。
つまり、片流れ屋根の棟部が最も危険な箇所になります。
特に、金属屋根材を採用した片流れ屋根の棟部で、雨漏り事故が目立ちます。
棟包みの水切り形状や外壁との取り合い部の防水対策が不十分で雨水を
引き込んでいるケースが多いです。
逆に雨漏り事故が最も少ない屋根形状は、寄棟屋根でした。(腰折れ屋根は除きます)
寄棟は、四周各面の屋根に勾配がついているうえに、雨水侵入の弱点と
なりやすいけらばは、存在しません。雨仕舞の点で、理にかなった屋根形状
といえます。当然とはいえ、基本に忠実な設計が、リスク軽減につながる
ということですね。