スタッフより
昨日は、リスク回避設計の話をしました。もう一方で、「リスク対応設計」という観点が
あります。これは、顧客の要望や法規上やむを得ないなど、雨漏りリスクが高くなりがちな
設計である場合、リスクの所在と大きさを明確に把握し、それに対してどのような統計上の
配慮をすれば良いかを明らかにしておくというもの。雨仕舞なども工夫して、雨水侵入への
備えと雨水を逃す対策などをとります。例えば次のようなリスクを理解することが望ましい
とされています。
(1)軒や庇が短い場合は、横や下から雨水が吹き込むことを想定します。
たとえば片流れ屋根などの場合は考慮しておきます。
(2)外壁に連続する面におけるデザインなどは、雨仕舞があいまいになりがちです。例えば、
ふかし壁など、壁に装飾を付ける場合、雨仕舞を考慮した納まりになっているか考慮します。
(3)バルコニーまわりに塚する部材などが、雨仕舞を考慮することを忘れがちです。
例えばパーゴラ(木材などで組んだ棚)などを壁に取り付けたりする場合、防水施工が
複雑になり、シールを打っても切れやすいので、接合部分が雨水侵入の弱点になりやすい
ことを考慮しておく。
(4)外壁で異なる材料を使用する際は、雨仕舞を間違いやすいことを覚えておきます。
例えば、1階部分には通気工法を採用したサイディング、2階部分にはモルタル塗りを
採用するなどの場合、境界面で雨仕舞の施工ミスが起こりやすいので注意します。
「リスク回避設計」、「リスク対応設計」この両方を考慮して雨仕舞対策をするのが
重要です。「リスク回避設計」で基本を押さえ、雨を侵入させないようにします。
顧客の要望や法規上やむを得ないといったディテールなどの箇所は、
「リスク対応設計」で収まりなどを考えておきます。いずれの場合も、施工方法
(雨仕舞などの納まりを含む)や採用する材料などにも配慮します。