スタッフより
昨日の続きになります。外壁と軒との取り合い部分で通気層の最上部をのぞいたところ、
透湿防水シートが正しく施工されておらず、木質の構造部材が露出していました。
軒の出は30cmもなく、雨が降りかかりやすい状況だったことも併せて考えて、
ここから雨水が浸入している可能性が高いと読みました。
外壁と軒との取り合い部分や、外壁にある複数のひび割れなどで散水試験を実施
しました。外壁と軒との取り合い部分に散水したとき、小屋裏の桁下やサッシ上枠
に水が染み出てくるのを確認しました。この場所は、実際に雨漏りが生じた1階
リビングではありませんが、双方の位置は上下関係にあります。
水染みの発生状況や、外部の施工状況から推測して、雨水が伝わる同じルート上
にあると考えるのが妥当だと考えました。
明確な原因特定には、時間をかけて検査する必要があるとしながらも、
その結果をうけて弊社は外壁と軒との取り合い部分から雨水が浸入していると推測
できました。雨漏りを助長するおそれがある外壁のひび割れとともに、
当該箇所の補修を提案しました。
雨漏りが発生すると、そのすぐ近くに雨水の侵入箇所があると考えてしまいがち
です。今回の例も、侵入箇所の外側の外壁にひび割れがあったことから、
そこが原因だと住宅会社は思い込んでしまったようです。
しかし、この現場は電気工法を採用していました。外壁のひび割れから雨水が浸入しても
通気層が逃げ道となり直接室内に雨漏りはしにくいのです。この仕組みが分かっていれば、
べつの箇所も疑えたのではないでしょうか。あらゆるケースを想定して、班員を広げて
調べる姿勢が大切ですね。