スタッフより
昨日の続きになります。
U様に主に4項目の大がかりな補修を提案しました。
(1)サッシ周囲で既存のシーリングをすべて撤去したうえで再施工
(2)3階バルコニーのモルタル外壁とFRP立ち上がり部分との取り合いに水切りを新設
(3)FRP立ち上がり部分の浮きを補修
(4)外壁のひび割れを埋めて男性リシンの吹付で仕上げる
の4項目です。
雨漏り発生当初に手掛けた住宅会社は、同じく3階バルコニーに着目していたのに
なぜ解決できなかったのでしょうか?最大の理由は、このケースの場合、
侵入箇所をピンポイントで特定する必要がある種類の雨漏りだったためといえます。
外壁のひび割れ、危なげな物干しアーム、FRP防水層のめくれなど3階バルコニー
付近には、雨水の進入ポイントとして疑わしい箇所が至るところにありました。
それぞれ適切な対処方法も異なります。
部分的な補修で一時的に雨漏りが収まったようでも、補修品質が不十分であったり、
他の箇所からも漏水していたりして再発を繰り返した可能性が高いです。
当初からバルコニー周囲を全面補修していれば再発を防げた可能性はあります。
しかし、怪しい箇所が目に付くためか、全面補修の判断に至りにくい状況
だったとも言えます。
そもそも新築時の施工品質がずさんであったといわざるを得ない状況なので、
設計自体にもはんせいすべき点があるように思います。
一般に雨漏りのリスクが高い部位であるバルコニー直下に
居室を配置する設計は好ましくありません。
設計に起因する雨漏りリスクについてこのケースも以前のケースと同様です。
防水と雨仕舞は本来役割が異なるのであるから、後者への配慮を欠いた結果
雨漏りトラブルを招いてしまうのです。