生物の色をヒントに生まれる技術革新とは。

瓦ズレ 屋根点検 ドローン調査 

クジャクの羽やコガネムシの体など光の当たり方で色が出る「発色構造」を人工的に作ってしまおうという研究が進んでいます。
人工的な発色構造を作り、インキを使わずに印刷するという新技術は、
簡易かつ安価な印刷を可能にし、普及の可能性を広げるものとして期待されています。

コガネムシの体表のように、物質表面のミクロな多層構造が光を反射して生み出す色は、色素による「色素色」に対し「構造色」と呼ばれています。研究グループは、古くなったプラスチックが細い繊維状に裂ける現象からヒントを得ました。安価な工業用ポリマーのシートに表現したい形が出るように光を照射し、酢酸を主とする溶剤につけることで人工的に亀裂を生じさせることで、構造色と同じ多層構造を作ることに成功したんです。

光の波長を変えることで赤、黄、青など色を調整し、多色刷りも可能となるこの技術は、亀裂が起きる範囲を小さく抑えることで、最小画素サイズ1.8マイクロメートル(1マイクロメートルは1ミリの1000分の1)の細密な図像も表現できるそう。

アクリル樹脂やポリカーボネートといった一般的な素材を使い、光の照射も特別な設備は必要ないことから、今後はさまざまな用途が見込めます。インキが使われる印刷、染色技術の一部を構造色に置き換えることで環境負荷を少なくできます。。また多層構造には液体を流すことで、将来的には血液や尿などから健康状態を管理する診断チップなどにも応用できるかもしれません。

こんな革新的な技術が、実は生物からヒントを得ているというところが面白いですよね。

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