スタッフより
八王子市のY様は、築30年の木造2階建てにお住まいです。
西側から強い風雨が吹き付けると、1階和室にぽたりぽたりと水滴が落ちてきて
その水滴が現れる鴨居の木部には、いつのまにか黒いシミができていたそうです。
雨漏りした部屋の上に当たる屋根で瓦を取り外してみると、壁の下地材の木部は
一部雨水で湿って黒く変色していました。壁下地と屋根下ぶき材の間には隙間が
ぽっかりと口を開けていました。
古い建物の場合、現在とは異なる雨仕舞方法であったり、使用している防水紙の
機能に違いがあったりします。そのため、「雨仕舞を学ぶには適していない」と
思われがちだが、今と昔の違いがあるからこそ、雨仕舞の考え方を知るには良い
事例をなることが多いです。今回の事例もその1つです。
外壁と下屋の取り合い部分の雨仕舞の考え方について、雨漏り原因から調べていきました。
雨漏り現場は、2階と外壁と下屋の取り合い部分です。雨漏りの箇所のほぼ真上に
当たる場所の瓦を取り外すと、瓦を留めつけるために施工した土が、雨水で湿って
黒く変色しているのが見つかりました。
この雨水はどこから侵入したのでしょうか?
原因の1つとして考えられるのが、瓦を重ね合わせた隙間です。事例の現場は、西風が
強い地域だったため、瓦の隙間に雨水が吹き付けやすい環境でした。
瓦の隙間から侵入した雨水は、屋根下ぶき材などを伝って下に流れます。
今回の事例では、下ぶき材に穴が開いていたため、その穴から雨水が壁内に侵入し、
雨漏りとなって現れたのです。
明日に続きます。