スタッフより
昨日の続きになります。
シーリングが剥離して隙間が生じた原因の一つとして、目地に事前に塗布したプライマーが
施工不良だったことが考えられます。プライマーは、サイディング材とシーリング材の接着性を
高める効果があります。しかし、施工方法や手順などを間違えると効果を発揮しません。
正しい施工が重要なのです。
例えば、外壁の目地に施工する場合、一般的にプライマーを塗布してからシーリング材を施工
するまでに、30分以上8時間以内の乾燥時間(オープンタイム)が必要です。
また、外装材とプライマーとの相性などもあります。サイディングメーカーの中には、専用の
プライマーを指定してくるケースも少なくありません。
この現場では、サイディング材とプライマーの相性が合わなかったようです。
目地にカッターナイフを入れてシーリング材を剥がしたところ、隙間が生じていた面だけが黄色く
変色していました。これは遊離したプライマーがシーリング材に影響を与えて変色したものです。
目地に施工したシーリング材に隙間が生じても、壁内に雨水を滞留させない仕組みがあれば、
雨漏りは防げます。今回の場合、外装材と断熱材が一体化していたため、侵入した雨水を逃す道
はなかったのです。
木造住宅の場合、通気工法を用いると通気層が雨水を逃す道となります。シーリング材は
施工不調や経年劣化など、様々な要因で隙間が生じることがあります。
うすいが侵入したことを考慮した雨仕舞を心がけたいものです。
プライマーを塗布しなかった場合や誤った塗り方をした場合、シーリング材を施工したのちあまり時間が
たたない時点では、シーリング材が外装材に接着しているように見えます。
しかし、雨風や光などの環境かで時間がたつと接着性が悪化することが分かっています。
シーリング材の施工後は定期的に点検しておくことで、施工不良の早期発見につながります。
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