スタッフより
港区のK様のお宅は、築40年の木造軸組み2階建てです。雨漏りの連絡があり、
伺ってまいりました。緑青が生じた銅製の谷桶をめくると濡れていた箇所がいくつも
出現しました。瓦を敷くための土台に当たるふき土には雨水が流れた跡があり、
下葺き材(防水シート)へと雨水が伝わっていました。下ぶき材はビニール製で
破れた箇所が見つかりました。この穴から雨水が小屋裏に侵入し、雨漏りとなって
居室内に到達したようです。子の雨漏り現場は、基本的な雨仕舞の重要性が浮き彫りに
なった事例と言えるでしょう。使っている建材の古さや、瓦屋根だからといった理由
だけどぇはありません。どのようにして雨水が流れていったのか、さらにどうすればリスクを
回避できたのかなど、屋根の谷部における雨仕舞の事例として、
トラブルを紐解いていきました。
この事例の雨漏りの原因は3つあることが分かりました。いずれも「まさか」と
思える原因です。特に雨水が集まりやすい谷部はこれらのまさかに備えた雨仕舞を心がけたい
ものです。
1つは、瓦から垂れた滴が銅製の谷桶に穴を開けたことです。瓦の凹凸に合わせて、
瓦からの水滴が当たった部分に穴が開いていました。雨水は穴から谷桶の下に
侵入したのです。
堂版は柔らかいため加工しやすいのですが、長時間滴が当たれば穴が開くことがあります。
最近の谷桶は硬い金属板を使っているので滴などで穴は開きにくいのですが、
施工時に誤って穴を開けてしまえば同じ状況に陥る可能性は高いのです。
明日に続きます。