スタッフより
屋根断熱の通気層に空気を出入りさせる換気口は、雨や雪が浸入しやすい箇所でもあります。
納まりに最新の注意が必要になります。
世田谷区のU様の屋根は、雨漏りしやすい通気口の納まりでした。
換気部材を雨の吹き込みやすい横向きに設置してある点が問題でした。
また、換気部材を薄い野地板に留めている点も適切ではありませんでした。
なぜなら風圧を受けて緩みや隙間が生じ、雨や雪が吹き込む恐れがあるからです。
換気部材を固定する材の厚さは24mm以上必要なのです。
また、雨漏りが発生している下屋(※)と外壁の通気層がつながっているために、
外壁内に侵入した雨水が下屋の内側に入るようになったのです。
雨押さえ板金を通気層の躯体側に取り付けて通気層を切り離し、外壁内に入った
雨水を外に出すのが正しい納まりになります。
通気層の納まりは難しいのです。設計者と工務店、職人の3者が事前に打ち合わせをして、
ミスを防ぐ必要があります。
屋根材のメーカーが定めた屋根勾配や適用地域の範囲内で換気部材を使うことも
雨漏りの防止で重要なことです。
(※)下屋とは、母屋(おもや)にさしかけて造った小屋根。また、その下の部分。