スタッフより
屋根勾配に沿って断熱材を配する「屋根断熱」の採用が増えてきています。
住宅金融支援機構が実施した「フラット35住宅仕様実態調査」の推移を見ますと、
2007年度の21%から17年度には37.4%に上がっています。
屋根断熱の増加で懸念されるのが、通気不良による結露の発生です。
弊社に限らず同業者のアンケートでは、屋根断熱で困っている点があるとの
回答が44%に達し、困っている内容で一番多かったのが「通気層の確保」でした。
屋根断熱で棟換気を棟の一部に取り付けた場合、横方向の通気経路が
必要になります。空気が横方向に流れる影響を調べるために棟換気を
取り付けた実大模型で測定を実施した研究所が世田谷区になり伺ってきました。
測定したのは、横方向の通気経路につながる通気層と、棟換気における温湿度
です。野地板の湿度は前者が後者よりも常に高くなり、最大で約20ポイント
差がつきました。さらに前者は湿度が一時的に100%になりました。
研究所では、「横方向の経路は空気の流れが悪くなっている可能性があり、
棟換気を連続して取り付け、横方向の経路を減らした方がいい」と
結論付けました。