スタッフより
屋根断熱では棟換気につながる通気経路をつくるために、棟気と垂木がぶつかる
箇所を突きつけず、切り欠くような措置が必要になります。
このうち特に手間がかかるのが寄棟屋根です。隅棟を通気経路とするには
隅木と垂木がぶつかる箇所に隙間を設けなくてはなりません。その数は多く、
作業が大変なので、寄棟屋根と屋根断熱の組み合わせを避ける実務者は多いです。
知り合いの工務店(世田谷区)では次のような工夫で大工手間を減らすそうです。
隅木の位置を通常よりも約35mm下げて桁に留めつけて、隅木と垂木の間に
隙間を設けるのです。それにより垂木を切り欠く作業が不要になります。
隅木の位置を下げる際には、桁に隅木を載せる部分の仕口加工が通常と
変ります。何度の高い加工なので大工が現場で悩まないよう、その部分は
外注でプレカットを頼んでいるそうです。
隅木の上に補助部材を排して、野路合板や棟板金を固定する点もポイントです。
また屋根断熱にする場合でも、棟の周囲だけ小さな小屋裏空間を残して
天井断熱にする方法を提案しているのだとか。
天井断熱部分は母屋の間に木の下地を組んで透湿防水シートを張った面に
現場発泡ウレタンを吹き付けます。
これにより、勾配天井を実現できて大工手間を減らせるので評判は上々の
ようです。