スタッフより
八王子市のN様から雨漏りがするので調べてほしいとの依頼がありました。
調べてみますと、小屋裏の断熱材が適切なところに設置されておらず、
その結果通気を阻害して結露が生じていました。
屋根断熱の成功か否かを分けるのは除湿対策です。とりわけ通気層の確保や
通気層を給気口・排気口と連通させてアクティブな状態にしておくことが
重要なポイントです。通気層の確保には「スペーサー」と呼ぶ部材を使います。
多くは段ボール製で、通気層となる空間をマスキングするように設置します。
断熱材が通気層に入り込んだり、出口や入り口を覆ったりして、通気層が閉塞
する事態を防ぎます。設置を誤ると結露などを招くので注意が必要です。
最近は、小屋裏がある住宅でも天井断熱ではなく、屋根断熱が多い印象です。
これは発泡ウレタンフォームの施工性の良さが原因だと思います。
グラスウール断熱では、大工が断熱材を敷き詰める作業に数日を要します。
これに対して発泡ウレタンフォームの吹付工事は、専門工事会社がほぼ
1日で済ませられるのです。これによって大工の負担はかなり減ります。
ただし、通常はスペーサーの取り付けを大工が担います。
ここに盲点があるのです。施工マニュアルなどを確認せずに取り付けると、
通気閉塞になってしまう可能性があります。
現場監督に十分な知識がなければ設置の不備も見逃す恐れがあります。
例えば、角部へのスペーサーの取り付けは要注意です。スペーサーの端部を
L字形に折り曲げて面戸としてるかい、軒桁や梁との間に隙間を生じさせない
とうにしなければならないのです。端部を折らずに角部に当てるだけで設置
すると、隙間ができて、吹き付けたウレタンフォームが外に噴出し、
通気層を防ぐ恐れが増します。