スタッフより
この冬は乾燥していますがそれでも斜面地に立つマンションは、
湿気たまりができやすいことが多いです。
日当たりの良い南斜面に建つマンションでも、北側は斜面と向き合う
ことになります。建物と斜面に挟まれた空間には、一日中、日が差さない
というケースも少なくありません。しかも、傾斜地を造成する場合は、
切り土にするのが一般的なので、斜面のくぼみに建物を配置していることに
なります。このため、日当たり良好な場所も日陰になり、風通しも悪く
なるので、湿気たまりになります。こうしたマンションの間取りは、
南側にリビングを配置して、斜面のある北側は玄関になっていることがほとんどです。
風通しが悪い場合には、もともと湿気を生じやすい玄関が、さらに湿気やすい
環境に置かれているのです。断熱材の施工など、より一層の湿気対策を
促す必要があります。杉並区のF様は東南向きの斜面に建つマンションに
お住まいです。北西側に位置する玄関のカビにずっと悩まされています。
斜面と建物に挟まれた空間が日が差さず、風通しも悪いので湿気たまりに
なるのです。湿気が多すぎて、外壁にもコケらしきものが見られました。
北側の部屋では、壁面のカビもありました。そこで、改善策として
風量の確保を提案いたしました。具体的には、換気扇を
換気量の大きなものに交換し、自動運転のコントロールスイッチ設置。
部屋から廊下への風道は、扉のアンダーカットで確保しました。給気口
を清掃して、計画通りの給気量を確保することも併せて提案いたしました。
大掛かりな工事を施さなくとも、通風を良くすることで改善する例は
本当に多いのです。